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少女☆歌劇 レヴュースタァライト感想 -第7話『大場なな』-

 

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ばなな回

これまでの物語の見え方自体がガラっと変わるターニングポイントとしての回でもある。
最終回までに11話まで感想書くのは無理だったのでチマチマ全話感想書こうと思う。
改めてだけど、11話見た上でのネタバレ感想なので色々注意。

 

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これまでも話に出ていた第99回聖翔祭本番当日からばなな視点で現在に向けて描かれていく。
「私が見つけた永遠の仲間と運命の舞台。この日、生まれたのです。舞台少女、大場ななが」
これからのばななの戦いを考えるととてつもなくこのモノローグは重い。
それだけのきらめきをばななが感じたと共に、ある種の呪いめいたものがある。
 

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二年生になったドヤ顔純那ちゃん。
この辺の純那ちゃんとばななの描写は微笑ましいし、ルームメイトとしての二人の関係性の補完もされていて良い。
純那ちゃん、卒業するまで実家に帰らないって選択をするあたりすごいストイックだよなあ。
そんな純那ちゃんを一人にしないあたり、それだけばななが純那ちゃんをはじめとした99期生を大切に思っているかよく分かる。ばななが過去に一人ぼっちだったからこそ、大切な仲間を一人にしたくないんだよね。

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二年生に進級して突然知る同級生との別れ。
純那ちゃんは「前に進もう」と切り替えられるんだけど、自分にとっての”永遠"ともいえる舞台を経験して、その感動を守りたいと思っているばななにとってそれはとてつもなく大きなショックだったんだろうなと思う。
 

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「決断したのです、彼女たちは。きっと私たちにはわからない激しい苦悩と絶望と、怒りがあったはず。言いましたよね、主役をかけてオーディションに挑みましょうと。本気で挑んでも叶わぬ相手、全力を尽くしても叶わぬ夢に舞台を去る人たちがいる。恵まれた体躯、素晴らしく伸びる声、舞台全体を見渡せる広い視野。なのにあなたはなぜーー」
 
「みんなのばななさんで居たいがために本気を出していないのならば、私は大場なな、あなたを許さない。」
そして天堂からの言葉。
ばななのスペックを見抜いているからだけでなくて、天堂は自分がスタァの実力があることを自負しているからこそ追ってくる、応援してくれる者のために常に最高であろうとしている人間。そしてそれが全ての人間ができることでなくて、追いつけずに舞台を降りてしまう人がいるからこそ能力がある人間としての義務感があるんだろうなあと思う。
だからこそばななのように自分の力をセーブしてしまっている存在に対して、「あなたを許さない」という発言に繋がるんだろうね。
 

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写真を見るばなな。
ばななが写真を撮ったりしているのはそれだけ、過去のきらめいていたその瞬間を守っていたいという気持ちの現れなんだろうなあ。
皆が「同じ舞台はないからよりよい最高の舞台にしていこう」という未来への考えがある一方でばななは”最高の舞台”というものを過去に感じてしまったという。
 

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そんな中でオーディションの誘いをかけるキリン。こうやってみると腹が立つなキリン。
「どんな舞台でも」という言葉が本来二度と届かず、いずれ自己解決する可能性のあったばななの過去への憧憬を完全に固定してしまうんだよね。ばななにとってこのオーディションの誘いは呪いだなあと感じる。
 

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オーディションに合格する大場なな。
まさかの最強キャラだった天堂すら実は倒していたという衝撃展開。
それまでとことん最強格として演出されていただけにこれは見ていてびっくりした。「本気を出したら天堂に匹敵」どころか「天堂を倒していた」というのは久々にびっくりしてしまった。
天堂からしてみると、何がきっかけでそこまで急にばななが変わったのかわからないだろうなあ。誰かを蹴落としてでも立ちたい舞台ではなくて、既に立ったもう再演のできない”あの時の舞台”というのは常に進化していこうとしている天堂とかには自然と理解するのが難しい考えだろうし。
 

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そうして始まる再演。
「こうして再演が始まったの。第99回聖翔祭の再演。大切な仲間、大切な舞台、大切な日々の再演。私の再演の中にいれば何も怖くない。成長することも、大人になることもない。自分を追い込む苦しみ、新しいものに挑む辛さ、傷ついて道を諦める悲しみからみんなを、守ってあげる。」
ばななの皆への愛情とどうしようもなく袋小路に入ってしまった感じが見ていてつらくなる。
ばななは過去に一人になってしまったことがあるからこそ、仲間がいなくなってしまうことに恐怖心があるんだろうなあ。
 

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「届いたはずなのに、まだ、眩しい」
キリンとの会話で幾度もループしていることが示唆されているけど、このループはばななにとって救いのようで地獄だろうなあと感じる。
もう一度届くかと思ったきらめきに届きそうで届かないのをそれこそずっと続けていたわけだから。
 

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そしてばななにとって初めてのイレギュラーである神楽ひかりの登場。
これまでの再演で存在しなかった異分子だからこそばななはひかりに接近したりしていたんだとわかるのが面白い。だから色々不穏な絵作りだったんだなあひかりとばなな。(そうでなくても仲良くなるために声をかける性格ではあるけど)
 

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「でも、誰が来ても私の再演は変わらない。神楽ひかりちゃん、あの子も私の舞台に欲しくなっちゃいました」
光の加減もあって怖い。
Twitterでフォロワーが言っていたけど、7話はばななが演者だけでなく物語的に舞台演出であることが明らかになる回なんだよね。
ループって構造はそれだけで1クール作れそうな大ネタであると思うんだけど、それを大ネタではなくて後半戦のスタートに持ってくる構成が面白い。物語の中核になるギミックというよりも物語を加速させるためのギミックとして使っているというか。
天堂の強キャラ描写が三話時点で極まっていたのもあって、それ以上の壁となるキャラを描いていくのかと思ったらこういう変化球がくるのは予想していなかった。
ループ物自体、だいぶ使い古されてしまったというか、ループをメインに置かれると身構えて見抜いてしまいがちだけど、こういう使い方はすごく新鮮味があったのでとても良かった。
 

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EDは歌なし。
Fly Me to the Starというタイトルの曲を歌わないというのも既にスタァに登りつめてしまっていたばななだからかな。
星の上に降り立つというのが印象的。
 
七話は大きな種明かし回というのもあって、ひたすら驚く感じになってしまう。
8話は今度はひかりのバックグランド説明回とばなな編の2!
そんなわけで次回に続く。